筆おすすめ、手入れ、洗い方、墨・墨液おすすめ

みなさん こんにちは、文房具屋のおやじ、ノボタンです

私が住んでる和歌山県は、全国の中でも書道・習字がたいへん盛んな県です。

それは前にブログ 「 楽しい文具BOX 」にも書きましたが、和歌山県には70年の歴史がある「競書会」という、小、中学生が参加する行事が有るからです。

まさに書を競う行事で、小、中学生はこの競書会に向けて一生懸命練習します(するかな)。

今日は、その競書会や、大人の方でこれから書道・習字をしようとされる方が、どんな書道具を選べばいいか、文房具屋のおやじがアドバイスさせていただきます。

筆 ・おすすめ

小学生には学年それぞれにお手本が示されています。

低学年なら半紙に1~2文字、高学年になれば4~6文字書きますが、筆と言うのは筆先のおろし方で、書ける文字の大きさも変わってきます。

一般的な事を言えば小学生の場合、大筆なら3分の2くらいおろすのがいいと思います。

小筆だと、主に名前を書くのに使いますから、3分の1~3分の2くらいでしょうか。

(ただ、これは教える先生によっても違うかも知れません)

また、大人の方でも何かお手本を見ながら練習すると思います。

筆の太さ

筆の太さの選び方は、半紙に何文字書くか?によって変わってきます。

半紙に1~2文字や、半切に2行ほどを書くのなら、大筆で、直径15ミリくらいの物、半紙に4~6文字や、半切に4行以上ほどを書くのなら大筆で、直径11ミリくらいの物がいいと思います。

また、名前を書いたりする小筆は、直径が5ミリから7mmくらいの物がいいと思います。

その他に中筆も有り、使う用途によっても違いますので、実際店頭で筆を見て握って書きやすそうな物を選んで下さい。

筆の形

形は太さが均一でストンと真っすぐな物と、ダルマ(毛の根本を黒く巻かれている)が有りますが、これはどちらでもお好みで、握りやすい物をお選び下さい。

筆の毛の種類

筆の毛は、馬、羊、イタチ、ネコ、ウサギなど動物の毛を使っています。

そしてそれぞれ特徴が有ります。

初心者や学童は、初め「楷書」を書きますし、向いているのは筆先が少し短い「短峰(たんぽう)」で、馬、狸、羊の毛を使った大筆をおすすめします。

筆の色は外側を馬毛で巻いていれば茶色ですし、馬の毛を巻いていれば白い色をしています。

価格は1000円~1500円(税別)くらいです。

少し慣れてくれば、少し価格の高い筆をお使い下さい。

「弘法、筆を選ばず」という言葉が有りますが、低価格の物と高価な物はやはり使いやすさ、書きやすさは違ってきます。

とは言っても、2000円の筆が1000円の筆より2倍書きやすいか?と言えばそんな差は出ないと思います。

1000円と5000円なら、やはり違ってきます。

そして、良い毛を使っている筆はやはり書きやすいです。

慣れない間は大筆で1000円~1500円くらいの物を使うのが良いと思います。

筆の手入れ、洗い方

筆は使ったあと、必ず洗って下さい。

洗わずに、墨がついたままそのまま放って置くと、筆先がガチガチに固まったり、毛が腐ったり割れたり、使えなくなってしまいます。

大筆の場合

大筆の場合、ぬるま湯で毛の根本部分をもみほぐすように、しっかり洗って下さい。

水道の蛇口から洗う場合は水量を少し少なくして下さい。

強い水量だと、毛が割れる恐れが有ります。

洗った後は、毛をしぼるように、水気を取って下さい。

そして穂先を整え、吊り下げて乾燥させて下さい。

乾ききらないうちにまた使うと、毛の根本部分がいつも湿った状態になって、毛が腐る原因になります。

毛が腐ると、毛が抜けたり、切れ毛が出来たり、穂先ごと抜けてしまう事も有ります。

使った後、筆を洗う事はとても大切です。

小筆の場合

使い終わったら水洗いはせずに、ティッシュペーパーや半紙に水を垂らし、その上で筆を寝かせるようにして墨をふき取ります。

穂先を整えながら、その上で丁寧にゆっくり墨をふき取って下さい。

墨がうすくなってきたら完了です。

そして吊るして自然乾燥させて下さい。

 

使い終わった後や洗った後の筆にはキャップをしないで下さい。

かぶせておくと毛が腐ってしまいます。

買った時にかぶっているキャップは捨てて下さい。

墨・墨液、おすすめ

固形墨・墨液、どちらを使えばいいのか、悩むかも知れません。

固形墨

固形墨は磨るのに時間はかかりますが、書く前に気持ちを落ち着けることが出来ますし、ゆっくりとした、そのその時間を楽しむことが出来ると思います。

磨っていく間に色の変化や香りを楽しむことが出来ます。

固形墨は価格も1000円未満の物から高価格の物までさまざま有りますが、初心者は1000円~2000円くらいの物を選べばいいと思います。

墨液

墨液は買ってすぐに硯石や、墨池に注げば使えます。

墨液も初心者向きの物から作品用まで色々な物が販売されています。

墨液には煤(すす)と膠(にかわ)を混ぜて作った物と、膠の代わりに合成樹脂(紙用ボンドのような物)を使った物が有ります。

膠を使った物は2年ほど、合成樹脂を使った物は化学薬品や防腐剤を入れているので5年くらい保存出来ます。

また、学童向けには洗濯で落ちやすい物も販売されています。

価格は300円くらいの物から、作品用の5000円くらいの物(サイズにもよります)まで色々有ります。

墨液の色の種類も様々あります。

お好みや、漢字やかな書きなど、用途によって使い分ける事も出来ます。

 

書道用品には色々な墨、筆、硯石、紙、下敷き、その他色々な物が有ります。

今日、このブログに書いたのは書道用具のほんの一部です。

それらについてはまた改めて書こうと思っています。

 

最後までお読みいただき、どうも有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんにちは、文房具屋のおやじ ノボタンこと、山路 昇です。

 生家は和歌山市の商店街の文房具店。 そこの三男として生まれ、育ちました。
  団塊の世代です。
 
 物心がついた頃、周りは文房具に囲まれていました。

 大学を出て東京で5年間レストランの会社でサラリーマン生活を経た後、和歌山に戻り、色々な経験を経て、現在も百貨店の文具売り場で日々お客様と接しています。
 
 この46年間、文具の仕事に携わってきた知識と経験を通して見た色々な事、文具の紹介などを書き連ねて行こうと思っています。

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