筆ペンって、こんなに面白い!
文具屋ノボタンが語る魅力と選び方
みなさん こんにちは、文具屋のおやじ ノボタンです。
筆ペンって聞くと、みなさんはどんなイメージを持たれますか?
「のし袋に名前を書くときだけ使うもの」「年賀状や芳名帳くらいかな…」と思っている方も多いかもしれません。でも、実は筆ペンには、もっとたくさんの使い道と、選ぶ楽しさがあるんですよ。
今日は、私ノボタンがこれまでお客様と接してきた中で感じたことや、筆ペンの歴史、人気商品、さらには外国人観光客に人気の理由まで、たっぷりとご紹介します!
筆ペンは、万年筆メーカーから生まれた?
筆ペンの元祖は、なんと万年筆メーカーのセーラー万年筆が1972年に発売したものと言われています。
もともと毛筆での手書き文化が根付いていた日本では、冠婚葬祭の場面や、年賀状、法事などで筆を使う習慣がありました。でも、いちいち硯で墨をするのは手間がかかりますよね。
「もっと手軽に筆文字が書けないだろうか?」
そう考えたセーラーが開発したのが、最初の筆ペン。カートリッジ式で、まるで万年筆のように使える筆記具でした。
ここから、筆ペンはどんどん進化していきます。筆のコシや穂先の形、インクの色味や速乾性など、各メーカーが工夫をこらしながら、今日の筆ペン文化が築かれていったのです。
実店舗で売れている!各メーカーの人気商品
さて、私は現在、百貨店の文具売場で働いていますが、筆ペンを求めてこられるお客様は年々増えていると感じています。
特に売れ筋なのは以下のような商品です:
● ぺんてるの「筆ぺん 中字・極細」
ぺんてるといえば、筆ペンの代名詞のような存在。特に中字タイプはのし袋や芳名帳に最適で、書きやすく、にじみにくいのが特徴です。
極細タイプはペン習字にも使われることが多く、細かな筆文字の練習にぴったり。
「昔からずっとこれ!」というリピーターが非常に多いのも特徴です。
● あかしや「新毛筆」・「極細毛筆 彩」
奈良に本社を構える筆メーカー、あかしやの筆ペンは、まるで本物の毛筆のような書き味でファンが多いです。
特に「新毛筆」は指名買いの多い商品で、写経や筆文字アートをされる方にも人気です。
また、「彩(さい)」というシリーズには多彩なインク色があり、カラフルな表現を楽しめるのも魅力。
若い世代にも人気が広がっています。
● クレタケ「携帯筆ぺん 硬筆14号」・「万年毛筆」
筆ペンの本格派といえば、**クレタケ(呉竹)**です。
特に「硬筆14号」は、私の働く売り場でも断トツの売れ筋。毛筆の風合いを持ちながら、扱いやすい弾力のある穂先が人気の秘密です。
さらに、桐箱入りの「万年毛筆」は、ギフト用としても大人気。価格は5,000円〜50,000円(税別)と幅広く、父の日や退職祝い、外国人への贈り物にも選ばれています。
● パイロット「瞬筆(しゅんぴつ)」
名前の通り、速乾性に優れた筆ペン。ビジネスの場面や書類への記名で便利に使えます。
ただし、筆ペンとしての“存在感”という点では、やや影が薄いかもしれません…。
筆ペンが活躍する場面、こんなにあります!
筆ペンの用途は、のし袋や年賀状にとどまりません。たとえば――
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法事の記名帳やお供え札の記名
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筆文字での手紙やハガキ
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写経や写仏など、心を落ち着けたい時の習慣
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お寺での御朱印風アート
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手書きポップ、ラッピング、カードの装飾
最近では、SNSで筆文字アートや写経を投稿している人も増えていて、特に若い世代にとって筆ペンは「新しい趣味の道具」として再注目されているように感じます。
海外でも注目!筆ペンは“おみやげ文具”の代表
近年、外国人観光客の方が筆ペンを買っていかれる姿をよく見かけます。
特にアジアや欧米からの旅行客に人気です。
その理由を聞いてみると、
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「日本らしいアイテムを持ち帰りたい」
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「筆文字を練習してみたい」
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「アニメやマンガの中で見た筆っぽいペンに憧れていた」
といった声が返ってきます。
しかも価格帯も手頃で、軽くてかさばらない。まさに日本文具のおみやげにぴったりですね。
筆ペン、どうやって選べばいい?
筆ペンにはいろんな種類がありますが、選び方にちょっとしたポイントがあります。
初心者には:
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「硬筆タイプ」や「極細」がおすすめ
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筆先が安定していて、ボールペン感覚で扱える
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ぺんてる・クレタケ・あかしやなどから選ぶと失敗しにくい
慣れてきたら:
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本毛筆に近い柔らかめの穂先に挑戦
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水性・顔料インクの違いにも注目(にじみにくさ、濃さが変わる)
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替えカートリッジの有無、インクの色展開もチェック!
ノボタンの接客エピソード
ある日、外国から来たお客様が「筆ペンって、どれが一番“書道らしい”の?」と尋ねてこられました。
その時私は、クレタケの硬筆14号と、あかしやの新毛筆を実際に書いて見せて、「書き味がちがうんですよ」と説明しました。
すると、その方は「おお〜!すばらしい!」と感動されて、なんと3本まとめて購入されました。
「娘と一緒に書道ごっこをしてみます」と、にこやかに帰られていったのが印象に残っています。
まとめ:筆ペンは、書く楽しみを広げてくれる
筆ペンは、ただの文房具ではありません。
日本の書の文化を現代のスタイルに合うよう進化させてきた、まさに「伝統と革新の融合」とも言える文具です。
そして何より、「書くって楽しい!」という気持ちを思い出させてくれる筆記具でもあります。
ぜひみなさんも、自分にぴったりの一本を見つけてみてくださいね。
あなたの暮らしの中に、新しい書の楽しみが加わるかもしれません。

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