ユネスコも認めた和紙の魅力!強く、美しく、優しい日本の紙

こんにちは、文具屋のおやじ・ノボタンです。

みなさんは「和紙」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか?

便箋や封筒、書道の半紙、障子やふすま、扇子、うちわ……他にも沢山あります。
手に取ると、どこかやさしく、あたたかみのある感触がしますよね。

実はいま、この“日本の紙”が国内外で改めて注目されているんです。
今日は、そんな和紙の魅力や歴史、そして未来への思いを、文具屋の視点からご紹介したいと思います。


◆ 驚きの保存力!1300年残る和紙のひみつ

奈良・正倉院に残る702年の戸籍用紙——
この紙が今も文字が読める状態で残っていると聞いたら、驚きませんか?

この和紙は、美濃(岐阜県)・筑前(福岡県)・豊前(大分県)で抄かれたもの。
なんと1300年以上の時を経ても、破れず、変色もせず、今なお“読める”んです。

なぜ、そんなに長持ちするのでしょう。

その理由は、和紙の原料にあります。


楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)といった植物から取れる繊維は、洋紙に使われる木材パルプよりも長くて強いのです。

さらに、製造時に使う材料も特徴的。
石灰や木炭など弱アルカリ性のものを使うことで、紙が酸化しにくく、劣化を防いでくれるんです。

そして、もう一つの強みが「墨」。

墨は「すす」と「にかわ」から作られ、繊維の奥深くまでしみ込みます。
だから、にじまず、色あせにくく、長く読み継がれる。
まさに“和紙と墨”は、日本が誇る最強のコンビなんです!


◆ 和紙の歴史:仏教から庶民へ広がった文化

和紙の起源は中国にありますが、日本には朝鮮半島を経て伝わりました。
飛鳥時代には、聖徳太子が仏教の経典を広めるために写経用の紙として需要が高まり、技術が日本各地に広がっていきました。

平安時代には、貴族たちが和歌や書に和紙を使い、
鎌倉・室町時代には、文書や絵画に使われるようになります。

江戸時代になると、浮世絵の版画や、日用品としての障子紙、奉書紙、紙衣(かみこ)などにも和紙が使われ、庶民の生活に深く根付いていきました。

けれど、明治時代以降、機械で大量生産できる洋紙が普及し、和紙の需要は一気に縮小していきます。


◆ 世界が認めた和紙:ユネスコ無形文化遺産への登録

そんな和紙ですが、2014年に世界から注目される大きな出来事がありました。

それが——
ユネスコ無形文化遺産「和紙:日本の手漉き技術」の登録です。

対象となったのは以下の3つの和紙です。

  • 島根県・石州半紙

  • 岐阜県・本美濃紙

  • 埼玉県・細川紙

いずれも、国産の楮(こうぞ)だけを使い、伝統的な手漉き技術で作られています。
手間と時間を惜しまず丁寧に作られる和紙は、まさに“職人技”の結晶です。

現在、ヨーロッパの美術館では和紙が修復素材としても使われています。
油絵や版画、古書や壁画など、世界の文化財の“支え役”として、和紙が大きな力を発揮しているんです。


◆ 和紙の現在:後継者不足と、それでも灯る希望

一方で、和紙を取り巻く環境は厳しさを増しています。

最大の課題は——後継者不足です。

和紙作りは、自然と向き合い、季節を読み、膨大な手作業を重ねる仕事。
しかも習得には長い年月が必要です。
そのため、若者たちの間で“なり手”が減少しており、地域によっては和紙の生産が止まりかけているところもあります。

でも、未来に繋げる動きも出てきています。

たとえば、地元の伝統文化を守ろうとする若い職人やデザイナー、
海外のアーティストが和紙の表現力に魅了されて使い始めるケースも増えてきました。
和紙の美しさに感動した外国人が、弟子入りして修業している例もあります。

“和紙は時代遅れ”ではなく、いま“再発見されている素材”なんです。


◆ 文房具としての和紙:日常に、やさしさを添えて

私の働く文具売場でも、和紙の便箋や封筒は根強い人気があります。

なかでも人気なのが、「日本三大和紙」といわれるこちらの3つ:

  • 越前和紙(福井県)

  • 美濃和紙(岐阜県)

  • 土佐和紙(高知県)

たとえば、「越前和紙の便箋」と聞いただけで、ちょっと上品で趣きのある印象がしませんか?
上質な手触りと、美しいデザインが施された和紙で手紙を書けば、受け取る人の心にもきっと温かさが届くはずです。

(ちなみに、私はまだそんな素敵なラブレターはもらっておりませんが…笑)

 


◆ 和紙のある暮らしを、あなたにも

和紙は、便箋や封筒、色紙や短冊、書道用紙だけではありません。

障子や屏風、提灯、傘、懐紙、うちわ、和傘、扇子など、
暮らしの中のさまざまな場面に“そっと”使われてきました。

ふわりとした手触り、目にやさしい色合い、どこか心が落ち着く素材感。
それは、和紙が「単なる紙」ではなく、日本の心を映した文化そのものだからなのかもしれません。

あなたもぜひ、日々の暮らしに和紙を取り入れてみませんか?

まずは一冊の和紙の便箋からでも。
きっと、いつもの日常が少しだけ、やさしく、豊かに感じられるはずです。


◆ おわりに

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

私たちの身近にある“紙”に、こんな深い物語があったこと。
そして、その物語が今も続いていること。

このブログ「楽しい文具BOX」では、そんな文房具の奥深い世界を、これからもお届けしていきます。

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文具屋のおやじ ノボタン
和歌山生まれ、文具業界47年。文具の楽しさや、役立つ情報や知識をお届けする「楽しい文具BOX」を運営中。百貨店文具売り場で日々お客様と接し、万年筆や祝儀袋、その他のお悩み相談もお任せ!
竹内まりやさん、ヘンリー・マンシーニの映画音楽が好きです。

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