万年筆インク、それぞれのメーカーの特徴は。

みなさん こんにちは、文具屋のオヤジ ノボタンです。

万年筆と切っても切れない存在が「インク」です。

特にここ数年は沢山のメーカーから、また万年筆とは関係の無いメーカーからも物凄い数のインクが発売され、その魅力に「インク沼にはまる」と言うような言葉が聞かれるほど、愛好者が増えています。

一口にインクといっても、メーカーごとに色や特徴が異なり、同じ「黒」でも雰囲気が大きく違います。

さらに最近は「顔料インク」でも万年筆に安心して使える商品が登場し、インクの選択肢は広がる一方です。

文具売場で長年お客様と接していると、「ああ、なるほど」と思わされる感想をよく耳にします。

今回は、パイロット、プラチナ、セーラーという国内三大メーカーを中心に、それぞれのインクの特徴を「お客様の声」を交えて紹介します。


インクの基本「染料インク」と「顔料インク」

染料インク

  • 特徴:水に溶ける成分で色を出しており、発色が鮮やか。ペン先での流れもスムーズ。

  • メリット:手入れが簡単で詰まりにくい。カラーバリエーションが豊富。

  • デメリット:耐水性・耐光性は弱め。長期保存や公式文書には不向き。

顔料インク

  • 特徴:微細な色の粒子(顔料)で発色。紙の上に定着するので耐水性・耐光性が抜群。

  • メリット:水に流れず、改ざん防止や長期保存に向く。

  • デメリット:従来は「固まりやすく、万年筆に不向き」とされていた。

しかし近年は改良が進み、万年筆に使える顔料インクが各メーカーから登場しています。


メーカー別のインクの特徴

パイロット

  • 「パイロットのインクは、ちょっと水っぽい感じがしますね」
    売場でよく耳にする言葉です。
  • 実際、パイロットのインクはフローが豊かで、サラサラした印象があります。
  • 色彩雫(いろしずく)シリーズ
    染料インクの代表格。

  • 日本の自然や風景をイメージした24色以上の豊富なラインナップ。

  • 滑らかな書き味と美しい発色が魅力です。

  • 証券用インク・製図用インク
    顔料インクで、改ざん防止や耐久性を重視。特殊用途向け。

  • ブルーブラック
    万年筆ユーザーの定番。

  • 落ち着いた色合いで長年愛される定番染料インク。

  • 特徴:インクフローが良く、サラサラとした“水っぽさ”がある。

  • 印象:「シャブシャブ」「軽い」という声が多い。ペン先から出やすいので書き出しがスムーズ。

  • メリット:フローが安定していて、詰まりにくい。日常使いに安心。

  • デメリット:紙によっては滲みやすい、発色がやや淡めに感じることも。

セーラー万年筆

  • 極黒(きわぐろ)・青墨(せいぼく)・蒼天(そうてん)
    顔料インクなのに万年筆に安心して使えるシリーズ。特に「極黒」は公文書にも使えるほどの耐水性と保存性を持ちます。

  • ジェントルインク
    染料タイプで、やわらかく豊かな色味。

  • セーラーのペン先との相性も良いと評判です。

  • 特徴:染料インクは発色が豊かで柔らかい。

  • 顔料インク(極黒など)は落ち着いた濃さ。

  • 印象:「色の楽しさはセーラー」という声が多い。

  • 遊び心のあるカラー展開と、しっかりした保存用の両方が揃う。

プラチナ万年筆

    • カーボンインク
      万年筆用顔料インクの先駆け。

    • 真っ黒な発色で長期保存に強く、公文書やサイン用に選ばれます。

    • クラシックインク
      古典的な没食子インクを再現。時間が経つと色が変化し、独特の風合いを楽しめます。

  • 特徴:インクが“かっちり”していて、紙に乗るとしっかり定着する。

  • 印象:「濃い」「線がしっかりしている」という評価。文字に力強さが出る。

  • メリット:黒やブルーブラックが濃く、保存性が高い。

  • 古典インクやカーボンインクなど、耐久性重視のラインナップも魅力。

  • デメリット:やや硬めに感じることがあり、ペンや紙によっては「重い書き味」と思う方も。

その他のブランド

・モンブラン
 染料インク中心で、上品な色合いが特徴。

「ミッドナイトブルー」など落ち着いた色が人気。

  • ラミー・ペリカン
    ドイツ系ブランドは、やや落ち着いた発色でビジネス向けに好まれます。

  • ボトルのデザイン性も高いのが特徴です。


顔料インクも「安心して使える」時代へ

以前は「顔料インクは固まって万年筆が詰まるから万年筆には向かない」と言われていました。

しかし、近年は各メーカーが研究を重ね、超微粒子顔料の採用でペン内部で固まりにくい処方が工夫されています。

例えば、プラチナの「カーボンインク」やセーラーの「極黒」は、長年愛用している方も多く、「普通に毎日使う分には問題ない」との声が多いです。

ただし共通して言えるのは、

  • 使ったらこまめに書く(放置しない)

  • 長期間使わないときは水洗いする

 

この2点を守れば、安心して顔料インクの魅力を楽しめます。

  • 染料インク:発色が美しく、普段使いに最適。

  • 顔料インク:耐水・耐光性に優れ、公式文書や記録用に最適。近年は万年筆用に安心して使える製品も登場。

  • メーカーごとの個性

    • パイロット=色彩雫の鮮やかさ

    • セーラー=顔料インクの信頼性

    • プラチナ=保存性重視のカーボンインク

    • 欧州ブランド=落ち着いた色とデザイン

インクは万年筆の「性格」を決める重要な要素です。

色や用途だけでなく、「長期保存か?日常使いか?」という観点で選ぶと、自分にぴったりのインクが見つかります。

あなた:

「インクのメーカー別の性格は、ちょっとお酒の飲み口に似ています」

  • パイロット=口当たり軽く、誰でもスッと入っていく

  • プラチナ=どっしりコクがあって、味が締まっている

  • セーラー=バリエーション豊富で、楽しさ重視

ChatGPT
あなた:

万年筆の世界を深めるなら、ぜひインクの違いにも注目してみてください。

書くたびに「今日はこのインクで」と選ぶ楽しさが広がります。

文具屋のおやじ ノボタン
和歌山生まれ、文具業界47年。文具の楽しさや、役立つ情報や知識をお届けする「楽しい文具BOX」を運営中。百貨店文具売り場で日々お客様と接し、万年筆や祝儀袋、その他のお悩み相談もお任せ!
竹内まりやさん、ヘンリー・マンシーニの映画音楽が好きです。

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