007 秘密兵器 パーカー ジョッターボールペン

みなさん、こんにちは、 文房具屋のおやじ、ノボタンです。

英国秘密情報部 M16所属、殺しのライセンスを持ち、” 007 ”というコードネームを持つエージェントの活躍を描く映画の主人公です。

今日はその007に登場する秘密兵器、ボールペン、万年筆の話しです。

 

第一作は今から61年前、1962年に公開された『007は殺しの番号、ドクター・ノオ』。

その映画の公開から、もう60年近く経つのですね。

主演はスコットランド出身の名優ショーン・コネリー。

ショーン・コネリーは、この映画で世界的に知名度が高まり、その後『ロシアより愛をこめて』、『007ゴールドフィンガー』『007サンダーボール作戦』『007は二度死ぬ』に主演、その後一旦退きましたが『007ダイヤモンドは永遠に』『ネバーセイ・ネバーアゲイン』で再び復帰、7作品でジェームス・ボンドを演じました。

そんな事で、”007 ジェームス・ボンド ” と言うと、ショーン・コネり―を思い浮かべる方も多いかも知れませんね。(ショーン・コネリーを思い浮かべるのは、年配の方? さしずめ今ならダニエル・クレイグでしょうか。)

ショーン・コネリーは「インディー・ジョーンズ 最後の聖戦』、オードリー・ヘプバーンと共演した『ロビンとマリア』に出演、また『アンタッチャブル』ではアカデミー助演男優賞、ゴールデングローブ賞 助演男優賞を受賞、他にも数々の映画に出演するなど優れた映画俳優でした。

第一作の『007は殺しの番号 ドクター・ノオ』以来、2021年公開の『007ノ―タイム・トゥ・ダイ』まで、ジェームス・ボンドが身に付ける時計、サングラス、万年筆、ボールペン、飲むお酒、乗る車などは全てジェームス・ボンドのイメージに合う超一流の物が選ばれています。

007 パーカー秘密兵器

映画には毎回、M16の Qがジェームス・ボンドの為に開発した数々の秘密兵器がを披露し、その時のQとのやり取りも、この映画の楽しみの一つでした。

ボンドカー、いくつかの名車が登場しますが、中でもイギリスのアストンマーチンが特に印象的です。

マシンガン、ミサイル、ナビゲーションシステム、防弾装甲、煙幕、オイル散布装置などが装着され、007が危機に陥った時に大活躍します。

後に、アストンマーチンは世界で最も有名な車と呼ばれるようになります。

007 パーカージョッターボールペン

ゴールデン・アイでは手りゅう弾に改造されたパーカ―・ジョッターボールペンが登場します。

ノックを3回することで爆発する、という秘密兵器でした。

 

1954年に登場した、パーカ―初のボールペンです。

これは70年近く経った今でも継続して販売され、多くのファンを持つパーカーの代表的なボールペ

また、中に入っている「レフィル・芯」の形はスタンダードになり、今や世界中に広く普及しています。


007 パーカー万年筆

ゴールド・フィンガーでは パーカー51、カジノ・ロワイヤルではパーカー・ソネット万年筆が登場します。

パーカー51万年筆は1941年に発売されました。

そして、その革新的なデザインから、「宇宙から来たペン」と称され、瞬く間に人気のペンになりました。

後にファッション・アカデミーアワード デザイン賞を受賞します。

このパーカー51万年筆の最大の特長はペン先のデザインでした。

一般的な万年筆は、首軸からペン先がむき出し(?)になっています。

しかし、このパーカー51はフーデットニブというように、ペン先がほとんど隠れてて、ペン先だけが先端に出ているのです。

この特徴は、ペン先からのインクの乾燥を防止すること、そしてペン先を保護する役割を持っていました。

そしてこの形態により、一定のしなりを持ちながらもペン先が安定しているので、万年筆に慣れていない初心者にも抵抗なく使うことが出来ると思います。

小説「老人と海」や「武器よさらば」の作者 アーネスト・ヘミングウェイも愛用していたという、この万年筆、「世界で最も愛されたペン」と謂われた傑作ですが、1978年に製造終了になります。

そして2021年、初代『パーカー51 』の発売から80年。 進化して蘇りました。


パーカ‐ソネット万年筆は今や、パーカーの代表作として販売されているシリーズで、手にした時の心地よい感触、一流品としての優雅さを持つペンで、多くの方々に支持されている製品群です。

ジェームス・ボンドがソネットのペンを使用するシーンが出てきます

 

007パーカーは、アメリカの会社? イギリスの会社?

パーカーは、アメリカでジョージ・サッフォード・パーカーによってアメリカで創業したペンのメーカーなのですが、1960年、創業者の息子であるケネス・パーカーが引退し、経営陣から創業者の一族がいなくなります。

そして1962年、海を渡り、イギリスで ”皇室御用達のペン” として認可され、1987年にイギリスの資本が入ったことでパーカーはイギリスの会社になりました。

そんな事からパーカーは、イギリスの高級筆記具メーカーとして” 女王陛下の007” 映画と提携し、007のスタイリッシュで洗練されたイメージを強調する為の道具として使われています。

パーカーの商品カタログの冒頭には

パーカーは高品質の証である「ロイヤルワラント」の認定を受け、長年にわたり保持し続けている 英国の高級筆記具ブランドです。 と、あります。

今やパーカーはアメリカの会社では無く、「女王陛下の007」イギリスの会社なのです。

 

最後までお読みいただき、有難うございました。

おわり

 こんにちは、文房具屋のおやじ ノボタンこと、山路 昇です。

 生家は和歌山市の商店街の文房具店。 そこの三男として生まれ、育ちました。
  団塊の世代です。
 
 物心がついた頃、周りは文房具に囲まれていました。

 大学を出て東京で5年間レストランの会社でサラリーマン生活を経た後、和歌山に戻り、色々な経験を経て、現在も百貨店の文具売り場で日々お客様と接しています。
 
 この46年間、文具の仕事に携わってきた知識と経験を通して見た色々な事、文具の紹介などを書き連ねて行こうと思っています。

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