みなさん こんにちは、文具屋のおやじ ノボタンです。
最近、万年筆インクが物凄く増えてきて、それに連れて万年筆を使ってみようという方が増えています。
今、万年筆は1000円くらいで書きやすく、高価格の物と同じような使い方が出来る商品が出てきてるので、従来のような万年筆に対するハードルも、うんと低くなっています。
今日は、その万年筆の書き方、使い方について改めて書いてみようと思います。
万年筆の使い方
万年筆はボールペンやシャープペンとは違い、買った最初はインクは入っていません。
インクはカートリッジインクを挿すか、コンバータという吸入器を万年筆に挿してインクボトルから吸入するか、または万年筆本体の尾栓を回してインクを吸入する方法が有りますが、初めて万年筆を使う方はカートリッジ式が使いやすいと思います。
ただ、カートリッジインクはボトルインクに比べると色数は少ないですが、初心者はインク色も黒やブルー、ブルーブラックで始めるのがいいと思います。
慣れてくると、コンバータを使って色々な色のインクを使うのは万年筆の楽しみの一つでもあります。
持ち方はペン先の刻印のある方を上に向け、人差し指と、親指ではさんで持ちます。
強く握らなくてかまいません。
紙とペンの角度は大体45度くらい斜めに傾けて持ちます。
万年筆はインクが入ってる本体胴の部分から、毛細管現象でペン先にインクが流れるので他の色々な筆記具に比べると、紙に当てるだけの軽い筆圧で文字が書けます。
万年筆キャップは本体の後ろに挿して書くか、挿さずに書くかは、その方がペンを持って書き易いと感じるやり方を選べばいいと思います。
ペン本体が少し短い場合は挿した方が書き易い事も有りますし、挿すと後ろの方が重すぎて書きにくい、という事も有ります。
それぞれの方が書き易い、と感じる方を選べばいいと思います。
インク漏れの対処法
万年筆のインク漏れと言っても、その症状は様々有ります。
キャップの中に漏れ出している場合
キャップの中に漏れていたり、軸から滲みだしていたり、ペン先の付け根、首軸から漏れていたり。
キャップの中に漏れている時は万年筆をバッグの中に入れて持ち運んでいる時に、万年筆を横に振った勢いで、ペン先からインクが飛び出してるのかも知れません。
その時はティッシュペーパーなどでキャップの中を綺麗に拭き取って下さい。
キャップの奥の方にも飛び散っているかもしれないので、根気よくふき取って下さい。
軸からインクが滲みだしている場合
また、軸から滲みだしている時は、軸にひび割れを起こしているかも知れません。
漏れ出している箇所を何度拭いても滲んで来るときは、その公算が高いです。
その場合は販売店に持ち込んでメーカーへの修理依頼をして下さい。
万年筆によっても違いますが、修理代はわりと高価になることが多いです。
販売店では、メーカーに修理出しをしたら修理代の見積もりが返ってきます。
見積りが出てくるまでには、国産品ですと1か月もかからないと思いますが、輸入品の場合、見積もりが出るまでに2~3か月、あるいはもっとかかる事も有りますし、それから修理にかかると更に1~2か月かかる事も有ります。
それから、古い万年筆ですと、交換部品が無くなっていて、修理が出来ない事もたまにあります。
違うメーカーのカートリッジを挿している場合
インク漏れの原因に不良な部分が無くても、違うメーカーの物を使っている為に、きちんと挿せていなくて、挿すヤリのところから漏れ出している場合も有ります。
また、カートリッジの挿し込みが緩かったり、コンバータもきちんと挿さっていないとか、コンバータそのものが壊れていて、インク漏れを起こしている場合も有ります。
万年筆は毎日では無くても使う事が調子よく使えます。
インク詰まりを起こしている場合
万年筆にもよりますし、保管状態によっても違うので一概には言えないのですが、長く使っていないとインクが万年筆の首軸から少し漏れてきたりすることが有ります。
それの一番の原因は、長く使っていなかった場合、ペンのインクが入っている本体(カートリッジやコンバータ)からペン先への細い管の中でインクが乾燥してインク詰まりを起こしている為、ペン先の付け根、首軸から漏れ出すことが有ります。
その場合はカートリッジやコンバータを外し、ペン先が付いた本体を水を入れたコップのような容器に水1晩漬けて置き、翌日出してからペン先の反対側の口から少し緩めの水道水を流します。
最初はインク色が出ますが、色が出なくなったら洗えています。
そしてペン先を下むけにして乾燥させるか、柔らかい布で水切りをすれば、元のように使えます。
インクかすれの対処法
しばらく使っていなかった万年筆を使うと、インクかすれが起きる場合が有ります。
その原因としては、挿しているカートリッジやコンバータにインクが残っていない時や、入っていても、しばらく使っていなかった為に、インクの通り道が乾燥の為、通せんぼしていたり、ペン先が乾ききってインクが流れなくてかすれることも有ります。
また、ペン先に紙の繊維や異物が入っている場合にもかすれる事があります。
その場合の対処法は、インクつまりの対処法と同じように、洗浄すると治る事が多いです。
万年筆は使う事が一番のメンテナンスの方法です。
使っていくと良い具合にペン先の感じも良くなり、手に馴染んで、より書き易くなってきます。
万年筆は大切に使うと20年、30年、もっと長く使える筆記具です。
万年筆には良くストーリーが有ります。
お父さんやお爺さんの机の引き出しの中から、使っていた万年筆が出てきたとか。
先日もお父様の形見のシェーファー万年筆が出てきたので使いたいと言われるお客様が来店されました。
見せていただくと、ペン先やパーツに異常は無く、ペンを超音波洗浄機で洗浄した後、特殊なスポイドで水を通し、水切りをしてからカートリッジインクを挿したらきれいにインクが出て綺麗に文字が書けました。
お客様は大変感動し、よろこんでいただきました。
万年筆の保管法
万年筆をインクが入ったままで保管して置くには、あまり乾燥していない机の引き出しの中でペンを水平に置きます。
そして、1か月に一度くらいは取り出して書いてみて下さい。
そしてもっと使うつもりが無い時も机の引き出しの中などに、万年筆からインクを抜いて置いて保管して下さい。
万年筆は他の筆記具には無いアナログ的な良さ、温かみがあります。
そして色々なインクを入れ、万年筆ライフをお楽しみください。
終わり。
最後までお読みいただき、有難うございました。
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