みなさん こんにちは、文具屋のおやじ、ノボタンです。
『ジェットストリーム』ご存じですよね。
とても書き易いと大変人気がある三菱鉛筆のボールペンです。
ジェットストリームが登場したのは2006年、それまでのボールペンのイメージ、概念を大きく変えました。
そのジェットストリームを製造、販売している会社は『三菱鉛筆』です。
今日はその三菱鉛筆についての話しです。
みなさん、三菱鉛筆っていうと、どんなイメージがありますか?
今はやっぱりジェットストリームやユニボールワンなどのボールペンが出てくるでしょうか。
そんなボールペンのイメージが強い会社ですが、社名に今も『三菱鉛筆』としているのはどんな理由からでしょうか。
三菱鉛筆の歴史
三菱鉛筆は1887年(明治20年)、眞崎仁六により内藤新宿(新宿区内藤町)に、水車を動力として鉛筆製造工場を建て、鉛筆工業生産を開始しました。
1878年(明治11年)パリ万博で鉛筆という物を始めてみた眞崎仁六は、様々な研究と努力、失敗を重ね、1901年(明治34年)に通信省(現総務省)御用品として「局用鉛筆」が採用されました。
「局用鉛筆」には一号、二号、三号という硬度があり、これに合わせて眞崎家の家紋である
「三鱗(みつうろこ)」を図案化し『三菱』というマークを考案しました。
そしてこの『三菱』という商標は、1903年(明治36年)に商標登録されました。
これは三菱財閥の商標登録に先立つこと15年になります。(以上、”三菱鉛筆のあゆみ”から引用、抜粋させていただきました。)
三菱財閥との関係は?
全く関係はありません。
私も知らなかったのですが、スリーダイヤ、三鱗(みつうろこ)のマークも、三菱鉛筆の方が三菱財閥より15年も先に商標と登録されています。
三菱鉛筆と三菱グループ(三菱商事、三菱重工業、三菱自動車、三菱電機、、、数多くの企業があります)は同じマークを使用していますが、重複する事業分野も無い為、お互い同じマークを使用することに合意しているそうです。
社名に『鉛筆』を使い続ける理由
三菱鉛筆は数々の商品を製造、販売しています。
今一番人気がある「ジェットストリーム」をはじめとするボールペン、学生に人気の「クルトガ」などのシャープペンシル、マーカー、鉛筆、色鉛筆、消しゴム他、様々な製品があります。
この内、全ての売り上げの中で、鉛筆の売り上げの割合は6、2%(2023年12月期)と、
少ないのですが、(因みにみにボールペンの割合は48%)社名に今も「鉛筆」を使う理由は何なのでしょうか?
その理由としては
1、鉛筆が会社の原点であり、礎を築いた象徴的な存在である。
2、『UNI ユニ』の鉛筆は高品質であり、製品は高品質という評価が確立されている。
3、社名を変更した場合、確率したブランドイメージを損なうリスクがある。
4、『鉛筆』という言葉が持つ文化的な価値を大切にしたい、という強い意志がある。
あなたにとって、鉛筆はどんな存在ですか?
デジタル化されて行く現代社会において、鉛筆はあなたにとってどんな存在でしょうか?
大人になった今、もう何年も使っていないという方が多いと思います。
子供は小学校に入ると必ず鉛筆を使います。
ノートに文字を書き、自分の名前を書いたりします。
その時使うのが鉛筆です。
鉛筆でノートに字を書くことの意味
鉛筆でノートに文字を書くことは、学びの基本です。
手を動かして書くことは、脳の活性化に大きくプラスになります。
鉛筆を使って少しづつ文字が書けるようになると、達成感を味わうことが出来ます。
これはタブレットなどで打つこととは違い、紙の手触り、文字を書く時の加減などが直に感じる事が出来ます。
このように、鉛筆でノートに文字を書くという行為は、子供の成長にとってかけがえのないものです。
高級鉛筆『UNI 』の誕生
みなさん、『UNI』という鉛筆はご存じですね。
あずき色のボデイカラーに黒色のライン、ボディには金色の文字が箔押しされているあの鉛筆です。
国産高級鉛筆『UNI』は東京タワー竣工と同じ1958年に生まれました。
はがき1枚が5円、コーヒー1杯50円程、鉛筆が1本10円と言う時代、世界一の鉛筆を目指し、5年にわたる研究、開発を経て1本50円と言う高価格での発売でしたが予想を上回るヒット商品となりました。
ちなみに『UNI』と言う名前は Unique (唯一)から名づけられたそうです。
その後更なる進化を遂げ、1966年、より高品質、高級な『Hi Uni』が誕生します。
『UNI』『Hi Uni』の誕生は、三菱鉛筆を一流の製品を創る企業としての評価を高めることになりました。
ボールペン、ジェットストリームの誕生
2006年、ボールペン、ジェットストリームが誕生しました。
これは文具、筆記具の世界に大きなインパクトを与えました。
それまでの油性ボールペンとは大きく違う低粘度、速乾性インクの濃く滑らかな書き味は、従来の客層に加え、新たな層の獲得にも成功しました。
ジェットストリームの登場は、三菱鉛筆の転換点となり、現在の地位を築く大きな要因となりました。
また、社名に「鉛筆」を使い続けることで、伝統と革新の両立を象徴しているのです。
鉛筆で文字を書く価値を再認識し、これからも手書きの良さを大切にして行きたいと思っています。
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