祝儀袋・金封の選び方

みなさん こんにちは、文具屋のおやじ、ノボタンです。

私は今も店頭でお客様と接しているのですが、お客様から色々なご質問、ご要望を受ける事があります。

私が居る売り場では沢山の商品を扱っています。

そんな中、お客様からのご質問でとても多いのは祝儀袋、金封についての事です。

 

祝儀袋、金封と一口に言っても、とても沢山の種類が有ります。

・お祝い用として 結婚祝い、出産祝い、誕生日祝い、入学祝い、その他色々なお祝い

・不祝儀用として お通夜、告別式、法要他に使う物

・お見舞い用として使う物 病気見舞い、災害見舞他

・その他、励まし、小遣い、餞別、神社仏閣への御礼、他、様々の用途

 

このように沢山あるのですが、ご質問の内容で一番多いのは、どんな袋を使えばいいの?というものです。

それは祝儀袋、金封の大きさや、デザイン、表書きの言葉についてです。

私がいる売り場には、とても沢山の種類の金封をご用意しています。

 

祝儀袋、金封はコンビニや百均、スーパー、ホームセンターなど多くの店で扱っています。

お客様にとってはその袋にいくら入れるかという事が肝心で、百均、コンビニで売っているものでもいい、とお考えの方も多いですが、そうしょっちゅうある事では無いし、どういう祝儀袋、金封を使うか、その方のセンスも現れるのでは?、ということもお考えなのか、みなさん相当考えて選ばれます。

一番多いご質問は、祝儀袋、金封の大きさです

例えば結婚祝いに使う祝儀袋の場合、中に入れる金額によってどれくらいの大きさの物を選べばいいのか?というご相談が一番多いです。

商品によってはメーカーが1~3万円、3~5万円、5~10万円位と表示されている物も有りますが、これも地域によって、選ばれる大きさには違いがあるようです。

また、デザインもファッション金封と呼ばれるような、とても華やかで水引の結び方も結び切り、という事は抑えながら様々なデザインの物が出て来ています。

その他に祝儀袋の色、カラーについては贈る相手が男性の場合は青や緑、濃い色目の物、女性には

赤やピンク系の物を選べばいいと思います。

そして大きさについては、その祝儀袋によって使用している紙質、折り方、水引、全体のデザインによっても変わってきますので、5万円入れるのならこれを、とはっきり申し上げるのはなかなか難しいことです。

これは実際に色々な商品を見比べながら決める、と言う事になると思います。

それでも、もし決められなければ売り場の販売員に相談していただければ、と思います。

と言っても、販売員でもきちっとした基準というのは持っていないと思いますが、経験を通してのご相談には乗れるのでは、と思います。

 

不祝儀に使う金封の表書き、水引の色

通夜、告別式の場合

通夜、告別式、法要の時にお参りする時の金封についても良く質問を受けます。

告別式の施主が仏教なのか、キリスト教、神道、天理教なのかによっても使用する金封や表書きは違ってきます。

また、仏教でも浄土宗、浄土真宗によって表書きは変わってきます。

「香典(香奠)、香料」というのは死者の霊前に供える金品(お線香代)ということですので、使うのは仏教だけです。

キリスト教の場合は「お花料」「御花料」、また神道の場合は黒白や双銀の結び切りの水引の物で、表書きは「御玉串料」「御神前」「御榊料」とします。

天理教の場合は「御玉串料」「御榊料」「御霊前」とします。

 

そして「御霊前」というのは宗教、宗派を問わず使えます。

ただ、浄土真宗の場合、「死」と同時に阿弥陀如来によって迎えられて「仏」になる、という考えの為、「霊」では無く「御仏前」を使います。

ただ、お参りする相手先の宗教や、宗派など分からない事も多いと思いますので、「御霊前」と書けばいいと思います。

法要の場合

地域によっても違いは有るのですが、

初七日など忌明けまでの法要の場合、表書きは「御霊前」とします。

また水引は黒白の結び切りの物を使います。

ただ、京都市では告別式でも黄白の水引の物を使う事もあるようです。

 

四十九日 、年忌の法要の場合

仏教では四十九日を過ぎると亡くなった魂は仏になる、と言う考え方から表書きは「御仏前」とし、水引は関西、それ以西では黄白のものを使うのが一般的です。

ただし、浄土真宗では人は亡くなるとすぐに仏になる、と考えられている為、忌明け前でも

「御仏前」が使われます。

 

水引の色については関東では一周忌までは黒白の水引を使います。

この水引の色について、関東の方が黄色の水引に驚かれたりすることもあるようです。

これは地域によっての慣習や風習によって使い分けをしているもので、それが絶対に正しいと言う事では有りません。

 

「御仏前」「御供」の使い分け

これも良く聞かれます。

これはどちらでもいいのですが、物とお金両方を供える場合には、物の掛け紙には「御供」

お金には「御仏前」と記すのがいいと思います。

 

不祝儀袋の表書き、薄墨を使う?濃い墨を使う?

これも良く聞かれます。

薄墨を使うのは「お通夜」「お葬式」の香奠だけです。

薄墨を使う理由は、訃報を聞いて涙で墨が薄くなった、急な知らせで墨をしっかり刷ることが出来なかった為、などの説があります。

ただし、地域によっては薄墨は使わない所もあります。

 

色々書いてきましたが、この祝儀袋、金封に関しての事は、店に居て、日々お客様から受ける質問の内容も様々で一番多い事です。

それだけ頭を悩ます事であり、私が居る店のスタッフでも、お客様にはっきりこれが正解です!とお応え出来ない事もあり、勉強する事が沢山有ります。

 

以上、最後までお読みいただき有難うございました。

 

 

 

 

 

 

 

 こんにちは、文房具屋のおやじ ノボタンこと、山路 昇です。

 生家は和歌山市の商店街の文房具店。 そこの三男として生まれ、育ちました。
  団塊の世代です。
 
 物心がついた頃、周りは文房具に囲まれていました。

 大学を出て東京で5年間レストランの会社でサラリーマン生活を経た後、和歌山に戻り、色々な経験を経て、現在も百貨店の文具売り場で日々お客様と接しています。
 
 この46年間、文具の仕事に携わってきた知識と経験を通して見た色々な事、文具の紹介などを書き連ねて行こうと思っています。

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