みなさん、こんにちは、文具屋のおやじ ノボタンです。
今日は、日本文字を美しく書くための究極の万年筆【パイロット エラボー】についてお話しさせていただきます。
みなさん【エラボ― 】って聞いた事ありますか?
パイロットの万年筆の名前です。
エラボーって、何か変わった名前ですよね。
これは「この万年筆を選ぼう!」と「Eloborate」(精巧な)と言う意味の英語を組み合わせたものだとか。
因みに海外向けには『Namiki Falcon』という名前で販売されています。
かつて日本には『全国万年筆専門店会』と言う団体が有りました。
私の実家も商店街に在る文具店だったのですが、その商店街にも万年筆の専門店が有りました。
今ほどボールペンが普及していなかった頃、紙に書くには付けペンをインク壺に漬けて書くのが一般的でした。
万年筆を持つ人も多く、街には万年筆の専門店がわりと多くありました。
しかし、その万年筆の専門店会が「万年筆は、もともと海外から入って来た物で、
横書きの文化の中で生まれていて、日本文字を書くことには向いていない。
日本文字を美しく書ける万年筆万年筆が欲しい」と言う事で、日本の万年筆のメーカー、
セーラー万年筆、プラチナ万年筆に作ってもらえないか、と話しを持ち掛けたのですが難しいと断
られたそうです。
【エラボー】 誕生秘話
この万年筆【エラボ―】が生まれた経緯、パイロットの「エラボー誕生秘話」によりますと、
そんな中、パイロットが「やってみましょう」と言う事になり、そこからパイロットと全国万年筆専門店会の『エラボー』の共同開発が始まりました。
それは1972年の事でした。
日本文字独特の表現が出来るように。
日本文字は、もともと毛筆で縦書きするものです。
トメやハライなど、毛筆独特の表現は硬いペン先の万年筆には本来向いていません。
そこでパイロットは毛筆に近い書き味が出せるように、ペン先に弾力を持たせる方法が無いか考えました。
そして付けペンがそれに近い書き味が出せることは分かっていて参考にしたのですが、付けペンのように隆起を持たせて強い筆圧で書いてたわませると、今度はペン先とペン芯が離れてしまってインクの含みが少なく、長時間の筆記が出来ない、という問題がありました。
しかしその場合でもインクの流量を十分確保する方法を試行錯誤の上『組み合わせペン芯』の構造を採用し、この問題をクリア―しました。
また同時に、日本人の平均的な筆圧に合う弾力を模索しながら、金型も数回に渡って作り直されたそうです。
そうして6年の歳月をかけ1978年に【エラボー】が誕生しました。
【エラボー】の特徴は
日本文字を美しく書くことが出来る万年筆です。
日本文字のトメ、ハネ、ハライを美しく表現することが出来ます。
エラボーの書き味は、そのペン先の形状によるもので、通常の万年筆とは異なり、少し丸みをおびています。
そしてそのことにより、通常の万年筆の『軟』調よりも更に柔らかい感触が楽しめます。
それはペン先の“しなり、たわみ”が生み出すもので、エラボー独特のものです。
でもその事は、初めて万年筆を使う方にとってその弾力は『とまどい』を感じさせるかも知れません。
しかし、このエラボーの書き味、
書いた時の感触は、 慣れてくると本当に心地よいものに 変わってきます。
『万年筆の文字には書く人の心が現れる』と言われます。
それが万年筆の特徴、万年筆の良さでもあるのです。
【エラボー】の進化
エラボーはその後も改良を重ね、ペン芯も『組み合わせペン芯』から新しく単体構造になり、キャップもねじ式に変わってインクの乾燥がより少なくなりました。
また2009年には大容量のコンバータが装着可能になり、より長時間筆記が出来るようになりました。
また、外装も新たに真鍮製の物も加わり、現代的な物に進化した3代目は、より軽い筆圧で筆記が可能になり、書くことがより一層楽しくなりました。
・日本文字を美しく書くことに情熱を 持ち
、美しい筆跡を追求される方。
・ペン習字をされている方
・高品質の万年筆をお求めの方。
・洗練されたデザインにこだわる 万年筆をお求めの方。
・美しいビジネス文書を書きたい、 と思われている方。
エラボーには2つのタイプがあります。
真鍮軸のFE-25SRと、樹脂軸のFE-18SRです
ペン先(ニブ)は14Kのロジウム仕上げ、どちらも同じ物を装着しています。
真鍮軸のエラボーはボディの自重によって、筆圧をかけずにスムーズに書くことが出来ます。
樹脂軸の方は自重が軽く、手の小さい方に向いてると思います。
FE-25SR FE-18SR
真鍮軸 樹脂軸
価格 33000円 (税込) 24200円 (税込)
最大軸径 14ミリ 14,4ミリ
全長 139ミリ 137ミリ
重さ 約30グラム 約18グラム
コンバータ con-70付属 con-40付属
カラーバリエーション
ブラック レッド ブラック レッド
ライトブルー、ブラウン
レビューを読んでみますと
・Fニブを購入しましたが、よくしなり、押し返してくるコシがある。だからペン先が自然と
動いて字が書けていく。 エラボー、聞きしに勝る実力で、とても気に入りました。
素晴らしい万年筆です。
・細字でも万年筆らしい書き味。 書き味は良好で気に入った。
・デザイン、作りなど見た目良いです。ただ芸術性は無く実用的です。
書き味は柔らかくインクフロー多めでサラサラ書けます。特に気に入ったのが筆記時の音です。
この音を聞きたくてペンを走らせたくなります。
今一番のお気に入りです。
・バランスが取れたエラボー
私にとっては数ある手持ちの万年筆の中でも、金属軸のエラボーほど手に馴染む万年筆は無いです。
特に以下の点が自分には合っていると感じています。
ニブ…独特な形状のロジウム仕上のニブは、しなりが良く筆圧が低い人ほど書きやすさが実感で きます。また、漢字や平仮名を書くのに適した柔らかさです。
・何年か前に買ってずっと使っている。筆圧で自由に毛筆のような字が書けるという宣伝の通り、ボールペンなどとは正反対の書き味はお気に入りの1本になっている。
・Namiki Falcon の動画に魅了されて購入しました。結論から申し上げると、あの動画のように書くことはできません。おそらく、あの動画のペン先はカスタムされた柔らかさの物であり、カリグラフィー用の非常にしなるペン先と同等程度か、それに近い柔らかさの物をつけて書いている物だと思われます。あれと同じように書こうとすると、この市販品ではペン先が壊れます。
改めて、万年筆の実力を評価しますと、それでも一般の物より柔らかく、表現力は豊かです。
などなど
あらためて
【パイロット エラボー】は
日本文字を美しく書くための
非常に優れた万年筆です。
私が絶対の自信をもって、お薦めします。
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